殺人鬼と神様 その1


夜寝る前に何気なく花瓶に飼っているイモムシ(アゲハの幼虫)をみたら
2匹いるはずのイモムシが1匹しかいない。


「いないーっ?! いないいない!!! 1匹しかいない!!!」と
焦る母ちゃん。
(基本的にキモイという感情を持ってるのでこういうときはメチャ焦る。)


慌てて辺りを見回すと花瓶の下にいや〜な体液の痕(つぶした感じ)がある。


ママ
「ハル!!! あんた、つぶしちゃったの?!?!」


ハル
「・・・」


ママ
「つぶしちゃったの!? イモムシどこやったの?!?!」


ハル
「・・・イモムシは〜葉っぱを食べて〜〜ムギュムギュって踊るの。」


ママ
「どうしてつぶしちゃうのぉ?! どこにやったのよぉ〜?!」

(恐る恐る出窓を見回し、クッションをひっくり返して探す母ちゃん。)


ハル
「イモムシは〜 なんか〜 ドシンって落っこちちゃって〜
 アメボウシが来て〜 なにぃ?って言ったの・・・」


意味不明な返答を繰り返すハル。

しらばっくれてるんだか、意味が分からないのかが分からなくて
釈然としないまま、
しかしつぶされたイモムシが何処からか
出てくるんじゃないかと捜索を続け、でも見つからなくて
父ちゃんに「イモムシを探してください」と書き置きをしてその日は寝る。


夜中に帰ってきた父ちゃんと話をして
やっぱりハルがつぶしちゃったんだろうという結論になる。
(体液の痕が生々しく残っていたので)
しかし、亡骸は見つからぬまま・・・


やっぱりハル(3歳)に虫の観察なんて早すぎたんだ、
週末にもう1匹も自然に帰そう、イモムシ観察は
おしまいおしまい・・・と
投げやりな気持ちになった母ちゃんです。


虫にとってハルは殺人鬼なんだろうなぁ…。


つづく